働き方改革含め人材に投資 主要企業集中回答、自動車・電機5年連続ベア (2/3ページ)

 好業績の企業が多い電機大手が示した回答には仕事と介護、育児の両立支援や長時間労働の是正など、働き方改革のメニューがずらりと並んだ。賃金水準を引き上げるベアと働き方への支援を合わせてトータルで従業員に報いる色が鮮明になった。

 「多様で主体的な人材の活躍には、賃金・賞与と勤務制度の双方を総合的に捉える視点で人への投資を行う」。日立製作所の中畑英信執行役常務は14日、記者団の取材にこう述べた。ベアと並んで今春闘の焦点になった働き方改革。日立は介護する家族がいる社員への年10万円の支給や、終業と始業の間に最低11時間の休息を確保する制度の導入などで労使が合意した。

 一方、パナソニックは出産や育児などの家庭の事情を理由にした有給休暇を1時間単位で取得できるようにする。東芝は現在3回までの介護休職の取得上限を撤廃するなど、各社でメニューはめじろ押しだった。

 もっとも働き方の支援にも金銭的な原資は伴う。今春闘のテーマだった経済の底上げで社会的責任を果たすには、好業績の電機大手がもっとベアへの配分を増やすべきだとの声が根強かったのも事実だ。

業績ばらつきが影