(3)では、投資会社ミュージックセキュリティーズが設立した「被災地応援ファンド」にも参加した。これが世間の評判を呼び、アンカーコーヒーは2450万円の目標額を達成した。集まった基金は、焙煎機や製菓の機械、内装費に充てた。さらに政府系の中小機構(中小企業基盤整備機構)の支援を受けながら、被災店の再開や新店オープンも進めた。
「ファンドに出資してくれた方が店に来られ、『再開できてよかったですね』と話されたこともあります。震災後は、本当に新たな人との縁がたくさんできました」(同)
来店客は「革靴から長靴まで」
震災前から気仙沼で渉外活動をしていた小野寺氏は、震災後、市長の主導で始まった「気仙沼市災害復興市民委員会」のサブリーダーを務めた。まだ40代前半だが、現在も気仙沼国際交流協会会長など公職は多い。こうした活動で知り合った著名人やキーパーソンと「気仙沼ならでは」の意見を交換し、観光地としての魅力づくりにも取り組む。
カフェの運営でも研鑽を続け、新装した本店には焙煎所を設置。良質なコーヒー豆を追求するほか、人材教育を通じて、店の商品力や接客力を高める。
たとえば社内の“バリスタテスト”に合格できなければ、店でコーヒーを出すことはできない。アルバイトの従業員もいるがテストの基準は社員と同じだ。その背景には「従業員の成長が店の成長につながり、お客さんへの居心地のよさにつながる」という思いがある。店舗業務で成長すれば、WEB広告の仕事を任せるなど、自己実現もサポートする。