
※画像はイメージです(Getty Images)【拡大】
目前に導入が迫る都市型の配車サービスに注目が行きがちであるが、一気に自動車の所有構造が共有に置き換わるものではない。パーソナルな保有ビジネス領域へも「CASE」改革を先導できる自動車メーカーには、強力な競争力が残されているということである。
攻める側となるIT企業やサービス企業が有しないものが、伝統領域における自動車の価値や技術である。
守る側の自動車産業は、伝統領域の磨き込みと「CASE」を融合させることで、個人保有として継続する領域では、自動車産業は圧倒的に優位と再認識する手応えがジュネーブ・ショーにはあった。「CASE」領域へ競争優位が移行しても、自動車産業にはIT企業に追いつき、追い越せる底力がある。
◇
【プロフィル】中西孝樹
なかにし・たかき ナカニシ自動車産業リサーチ代表兼アナリスト。米オレゴン大卒。山一証券、JPモルガン証券などを経て、2013年にナカニシ自動車産業リサーチを設立。著書に「トヨタ対VW」など。