激化する定額動画サービス競争 アマゾンと共存、競争するライバルたち (3/3ページ)

PPJの高澤宏昌氏、フジテレビの野村和生氏、HJホールディングスの於保浩之社長
PPJの高澤宏昌氏、フジテレビの野村和生氏、HJホールディングスの於保浩之社長【拡大】

 すでにレッドオーシャン化している市場になぜ今参入するのか。「CDN費(コンテンツ配信にかかる費用)も下がっている。今が適切なタイミング」とPPJ編成制作局コンテンツ調達責任者でTBSの高澤宏昌氏は話すが、理由はそれだけではない。

 テレビ各社は権利を持つ映像を配信するとき、自社のプラットフォームを“本店”、自社以外のプラットフォームを“支店”と呼んでいるという。だが一般的な意味とは違って“支店”の権限が強く、“本店”側が配信した番組の視聴期間をコントロールできないなどの事情があった。

 TBSは先日終了を発表したTBSオンデマンドのサービスにおいてアマゾンなどと提携していたが、“支店”から視聴者の詳細なパーソナルデータや利用動向などマーケティングに重要な情報を提供してもらえないケースもあったという。だが視聴者を“本店”に集中させれば、特定の番組の視聴者層や、ドラマがよく見られる曜日や時間帯といった膨大な量の情報を取得できる。これらをParavi全体で利活用することでインターネット番組から新聞、ラジオ、書籍へとメディアの枠を超えた展開が可能になる。高澤氏は視聴者動向のデータをParaviで上手に利活用し、「毎日訪れたくなる場所を目指す」と意気込みを語っていた。(価格は税込み)