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法改正で「ハーブ入り」も解禁 過去最悪のビールに“新商品”が相次ぐワケ (2/4ページ)

 その理由は酒税法の改正だ。今年4月からビールの定義が大きく変更され、麦芽比率が現行の67%以上から50%以上に引き下げられる。また使用が認められていなかった果実や香辛料などを副原料として使えるようになる。これによりビールに対する商品化の“縛り”は大きく緩み、個性的な商品が増えると予想される。

 キリンビールの布施孝幸社長はこの点を「ビールの多様性を発信するチャンス」と歓迎する。同時に、市場活性化への呼び水となることに大きな期待を寄せる。確かに消費者の嗜好性は多様化している。アサヒビールの「スーパードライ」、キリンの「一番搾り」など一般的なメガブランドに飽き足らず、個性的なクラフトビールを選ぶ消費者が増えている。定義変更はクラフトビールに続く、新たな市場をつくり出す可能性がある。

 その好機を捉え、アサヒビールは大手の先陣を切って、ハーブの一種、レモングラスを副原料に使ったビール「グランマイルド」を4月に発売する。アルコール度数は主流のビールが5%なのに対し、「グランマイルド」は高めの7%になっている。定義変更について、同社の平野伸一社長は「あらゆる選択肢があり、非常に大きなチャンス。各社が一斉に新商品を投入すれば、市場が活性化する」と期待を寄せる。

 定義変更は「ビール新時代」の幕開けか

 キリンも「市場活性化の後押しになる」(布施社長)として、副原料を使用した個性派ビールを4月に発売する計画だ。サントリービール、サッポロビールもこれに追随する方向にあり、サッポロは静岡県のビール工場に多品種少量生産に対応した新設備を導入することを発表した。その意味で、定義変更は「ビール新時代」の幕開けともいえ、ビール大手の力の入れようもこれまでと違う。

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