【スポーツi.】プロ野球、肖像権も「メジャー式」で 公取委の報告書から考える選手契約 (2/3ページ)

ソフトバンク対ロッテ戦でサヨナラ本塁打を放つソフトバンク・柳田=15日、鹿児島県立鴨池野球場
ソフトバンク対ロッテ戦でサヨナラ本塁打を放つソフトバンク・柳田=15日、鹿児島県立鴨池野球場【拡大】

 残念ながら第1審(06年判決)、控訴審(08年判決)とも選手側の主張は認められず、最高裁に上告したが10年に上告を退けるとの決定が下った。

 選手の肖像権を球団が保有するという根拠は、統一選手契約の第16条に「写真と出演」という表題の下に「球団が指示する場合、選手は写真、映画、テレビジョンに撮影されることを承諾する。なお、選手はこのような写真出演などに関する肖像権、著作権などの全てが球団に属し、また球団が宣伝目的のためにいかなる方法でそれらを利用しても、異議を申し立てないことを承認する(以下、省略)」と定められていることだ。

 しかし、この文章は(1)球団が求めた場合、選手は写真撮影、映画撮影、テレビ撮影に応じる(2)写真撮影、映画撮影、テレビ撮影に関係のある肖像権、著作権が球団に帰属する(3)撮影されたものを球団が「宣伝目的のために」利用してもかまわない-ことを定めたと理解される。「選手の写真を球団の宣伝目的に利用しても選手は文句を言わない」といっているに過ぎないと解釈されるし、選手側の主張もそうであった。

 プロ野球の統一選手契約は1951年に米国メジャーリーグ(MLB)の統一選手契約を参考にして制定されたものであり、第16条の文言は表題を含めほぼMLBの条文の翻訳版となっている。ところがMLBでは、選手の肖像権は当然ながら選手個人に帰属している。単独使用の場合は選手個人が「エンドースメント契約」などを行っているし、複数選手あるいは集団での肖像権利用に関しては選手会(労働組合)が全選手の代理人として企業などとその利用契約を締結している。

続きを読む