人気ブランドが苦境に 「バッグのサマンサ」経営不振 社長が全スタッフと面談へ (1/2ページ)

 販売の落ち込みや出荷遅延などで経営不振に苦しむサマンサタバサジャパンリミテッド(東京都港区、寺田和正社長)が4月20日、都内で決算会見を開いた。今期はカンパニー制導入や店舗改装などの改革を進めるが、業績悪化やキャッシュ減少など課題が山積している。(東京商工リサーチ特別レポート)

◆出荷遅延が業績を直撃

 同社は主要ブランドの「Samantha Thavasa(サマンサタバサ)」でバッグを中心に女性向け商品を展開している。

 同日午後4時から開かれた会見には、寺田社長らが出席。約100名の報道関係者やアナリストが集まった。決算説明で菅原隆司取締役が、前期(2018年2月期)が減収減益となった要因を「出荷の遅延などが解決しなかった。また、店舗整理や棚卸の廃棄などを行った」と報告した。

サマンサタバタ店舗=4月撮影、横浜市内

サマンサタバタ店舗=4月撮影、横浜市内

 寺田社長は今期(2019年2月期)について、「原点回帰から原点進化へ」と意気込みを語り、成果にこだわっていく姿勢を示した。

 2018年2月期は主要ブランドのサマンサタバサのリブランディングを進めた。だが、生産や納品の遅れに加えて店舗再編などの影響で、売上高(連結)は321億5830万円(前期比9.3%減)に沈んだ。

 利益面は、人件費などを抑制したが、リブランディングに伴う先行投資や事業再編による特別損失32億5747万円を計上し、最終損益(親会社株主に帰属する当期純利益)は36億6939万円の赤字となった。

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