【高論卓説】フリーアドレスでモチベーションを刺激 行動スキルを高めパフォーマンス向上を (1/2ページ)

※画像はイメージです(Getty Images)
※画像はイメージです(Getty Images)【拡大】

 働き方改革推進の議論の中で、再び、オフィスのフリーアドレスへの関心が高まっている。個々の社員のデスクを決める固定席方式に対して、どの社員がどこのデスクを使ってもよいフリーアドレス方式は、バブル崩壊後、オフィススペース縮小、レイアウト変更コスト削減を図るために導入が進んだ。

 全社員数ではなく、外出しがちな社員を除いた常時オフィスにいる社員数に応じて、デスクやオフィススペースを見込むので、スペースは縮小できる。組織変更や人員増減などによる、デスクのレイアウト変更が不要になるので、その分のコストも削減できる。

 見込みを誤って、社内で会議が多い日などは、デスク数をはるかに上回る社員が出社し、社員は座る席がなくうろうろと席を探したり、オフィス近隣の喫茶店で仕事をしたりしなければならないという事態になっている企業もある。フリーアドレスは、会社の都合によるコスト削減のためのものだというイメージが定着してきた。

 しかし、私は、フリーアドレスによる、個々の社員の能動性、モチベーション、パフォーマンス発揮の効果に注目したい。ビジネスパーソンの行動を分解し、コアとなる行動スキルを高めるプログラムにより、パフォーマンス向上を図っていることを踏まえれば、次のことが言える。

 社員が出社するときのコアとなる行動に着目すれば、固定席で決められた席に座る際には何も考えずに座ることになる。一方、フリーアドレスの場合は、多少なりとも、どこに座ろうかと考えて席を自ら選ぶことになる。フリーアドレスの方が、能動性を発揮することになるのだ。とても小さな行動ではあるが、これが毎日続くとなると、能動性発揮に与える影響は実に大きい。

続きを読む