【高論卓説】大学が消える時代 定員割れで補助金減額、弱肉強食の様相 (1/3ページ)

文科省=東京都千代田区(瀧誠四郎撮影)
文科省=東京都千代田区(瀧誠四郎撮影)【拡大】

 文部科学省高等教育局は、大学に対して入学定員の厳守を徹底させている。私立大にも容赦なく、新設学部・学科などの改組・改革を定員オーバーであれば認めない。政府からの補助金もカットされるため、大学は入学者数に関して神経質になっている。

 私が勤務する日体大では今年、保健医療学部が1人の定員割れを記録した。突然、入学辞退者が出たためである。受験者数が多くとも、補欠合格者を出すことができず、長年の経験からくる歩留まり率の魔術的な計算によって合格者を発表する。

 数年前までは、日体大は1.3倍の入学者が認められていて、財政的にも余裕があった。現在では1.05倍、わずか数人のオーバーが、かろうじて認められるほど厳格である。入学辞退者が出れば、成績順で補欠を繰り上げ合格させるが、既に進学先が決まっていたりして定員数を確保するのに苦労する。

 大ざっぱであった合格者数が厳密になったため、どの私大も大きな悩みの種を抱える。しかもレベルを維持せねばならず、担当者はAO入試、推薦入試の効用を説く。

 私立大への経常費補助金の交付は、2017年度から唐突に定員割れの大学には大幅にカットされることとなった。4割の私立大が定員を充足できず、多くの大学がショックを受けた。特別補助金が、「圧縮率」によって左右され、6割も減額された大学も散見する。恐らく、資金繰りに困った大学もあったに違いない。地方の小規模私大が、おおむね定員未充足で、減額されたと考えてよいだろう。

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