
文科省=東京都千代田区(瀧誠四郎撮影)【拡大】
もっとも、政府は地方大学・地域産業創生交付金(70億円)を創設し、自治体とタッグを組んで、「キラリと光る地方大学」にすれば多額の補助金を手中にできるようにもしている。要するに地域が一丸となって改革に取り組む優れた事業を行えば、大学や自治体に交付されるといい、予定件数は定められていない。
大学、地方自治体、産業界などがコンソーシアムを組織し、産学官連携によってリスクの高い先端研究などを行うとなれば、費用の約7割を国に負担してもらえる仕組みだ。だが、多くの地方大学に、かかる研究力・技術力があるのか疑問である。いよいよ研究機関として実力なき地方大学を退場させる装置が整った印象を受けようか。
先の「経済財政諮問会議」で麻生太郎財務相が、「定員割れや赤字経営となっている大学を公費で実質的に救済することがあってはいけない」と発言したように、もはや政府は護送船団方式で大学を救う考えはないようだ。文科省と財務省は、学生数と教職員数によって私学助成を行ってきたが、「定員充足率」と「教育・研究の質」へと軸足を移しつつある。
地方創生、人生100年時代構想において、私立大の役割と期待を主張しながら、少子化による自然淘汰(とうた)に加え、ハードルを高くして消失する大学を待っているかに映る。地方の小規模大は、遅かれ早かれ退場せねばならなくなる。かつての護送船団方式は消失したのだ。