低価格で消費者に人気の回転ずし市場で、シェアの過半を占める上位4社の競争が激しさを増している。全体では右肩上がりの成長が続く一方で、漁獲量の減少や人手不足などの課題も浮上。各社は業界再編を通じた規模拡大や、新たな客層の取り込みにしのぎを削っている。
スシロー首位固め
「将来的に国内シェアの半分を目指す」と強気の姿勢を示すのが、最大手「あきんどスシロー」を傘下に持つスシローグローバルホールディングスの水留浩一社長。協議を進める5位の元気寿司との統合が実現すれば、2位の「くら寿司」を運営するくらコーポレーションを大きく引き離す。
3月には回転レーンがないカウンター席のみの店舗を横浜市の商業施設のフードコートに出店。従来型の郊外店は他社との陣取り合戦が激しいため、都心の小型店に打って出る戦略だ。東京で居酒屋風の新業態店をオープンしたほか、国外店舗が過半数の元気寿司のノウハウを活用して海外展開も加速する構えで、首位固めを着々と進める。
スシローの独走を阻もうと各社も策を練る。くら寿司は、すし飯を使わない「糖質オフ」の商品や「本格洋食」と銘打ったサイドメニューを相次いで投入。若い女性やファミリーレストランの利用客の取り込みを狙う。