ゼンショーホールディングス傘下で3位の「はま寿司」は店舗数をスシローと並ぶ約500店に拡大し、上位を猛追する。一方、カッパ・クリエイトが展開する「かっぱ寿司」はかつての首位から4位に転落するなど業績が低迷。新規の客層を開拓するため、昨年から期間限定の食べ放題を実施するなど、背水の陣で巻き返しを図る。
食材安定確保が課題
業界共通の課題となっているのが、世界的な魚需要の拡大や、マグロなどの漁獲量減少を受けた食材の安定確保だ。スシローが世界各地で食材調達先の多様化を進めるほか、くら寿司も国産天然魚のフル活用に向け、あらを養殖魚の飼料にする事業を始めた。
深刻化する人手不足への対策も急がれる。はま寿司は従業員の負担を軽減しようと、人型ロボット「ペッパー」を全店に設置。入り口の受け付け業務に当たらせ「スムーズな案内でお客さまの待ち時間を減らし好評だ」(同社)という。
市場調査会社の富士経済の森尾隆史研究員は「喫茶店代わりの需要などで(回転ずし店の)利用頻度が高まっている」と分析。一方で「人口減で顧客を取り合う状況では新規に出店しづらく、さらに業界再編が進む可能性はある」とみている。