【マネジメント新時代】自動車部品メーカーはEV化とMaaS化に照準を (2/3ページ)

2018年3月期連結決算について、記者会見するトヨタ自動車の豊田章男社長=5月9日、東京都文京区
2018年3月期連結決算について、記者会見するトヨタ自動車の豊田章男社長=5月9日、東京都文京区【拡大】

 一方、自動車部品メーカーの様子は、2つに分かれているように思える。一つは毎月の生産対応に忙しく、とても先のことは考えていられないという企業である。他方、そうは言うものの、自動車メーカーの収益が減速しており、30年、40年とガソリン車廃止の規制が強化される中、明るい未来はないと考える企業である。

 筆者も後者と同じ考えを持つ。今後、自動車メーカーが欧米中にてEV、PHVなどを生産開始すると、どうしても既存の生産ボリュームは減少していく。これが五月雨式に起こるというより、ほぼ同時期に起こり始めるであろう。その時、部品を各地域に輸出していた自動車部品メーカーは、一気にボリュームが減るのではないだろうか。

 一般的に、生産ボリュームが減れば、自動車メーカーはコスト低減のために、サプライヤーの再編や選定見直しを考える。これまでの3社発注から2社発注へ。もしくはさらなるコスト低減の要請などである。

 さらに、予断を許さないが、トランプ米大統領による自動車および自動車部品への関税最大25%の引き上げが実施されると、一気に景気は悪化する。

 新規事業開発を急げ

 このようなことから、ここ3年以内に、ガソリン車系の自動車部品メーカーは、事業経営が悪化する可能性が高いとみている。このため、できる限り早期に新規事業開発に着手することを勧めている。なぜなら、少なくとも新しい事業の柱を探し、それがものになるまでには、少なくとも3年は要する。早期に自社技術の棚卸しを行い、どの技術をもって他分野に参入するのかを検討することが望ましい。

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