
今夏から「ウーバー」によるタクシーの配車サービスが始まる淡路島。県などは外国人観光客らの利便性向上を期待する【拡大】
また、島内は65歳以上の高齢者の割合が35%を超える。2040年に日本全体が達するとされる割合で、車が運転できない高齢者の移動手段確保も課題となっている。
同県民局の高野滋也県民交流室長は「交通インフラの充実は淡路島の重要課題の一つ。タクシー会社と一緒になって外国人観光客の移動手段を充実させ、インバウンドを増加させたい」と今回の実証実験に期待を込める。
新たな地域の足
過疎地域での交通網の充実に向けた新たな“足”の確保は、他地域でも試みが進んでいる。
兵庫県養父市では中山間地域の高齢者ら交通弱者の救済のため、タクシーに代わってマイカーで有償運行する事業が5月26日から始まった。国家戦略特区の規制緩和を活用した全国でも先駆的な取り組みで、地元住民だけでなく観光客の利用も見込む。
バスやタクシーの採算が合わない市内の山間部で限定実施され、市やタクシー会社などが運営主体となるNPO法人に登録したドライバーが自家用車で客を運ぶ。料金はタクシーの6~7割で、売り上げの7割がドライバーの収入になる。
同市の担当者は「タクシー事業者などは市街地に拠点を置いており、山間部に出向くと採算が合わないケースがある」といい、「豪雪地帯でもあり、高齢者の足の確保は重要な課題。タクシーなど既存の交通サービスとはうまく棲(す)み分けできるはずだ。将来に向け、地域の足を育てていきたい」と期待する。
法的な問題や自治体の協力など課題も多いが、観光や地域の交通手段として、国内でもタクシーや自家用車を活用した新たな方式が広がりつつある。