【経済インサイド】「マイルドセブン」は日米貿易戦争の“産物”だった 加熱式でも“旗印”に (3/3ページ)

「たばこと塩の博物館」に展示されている発売当時の「マイルドセブン」(左)。パッケージデザインが「セブンスター」と酷似していた。「キャビン」「キャスター」とともに輸入たばこを迎え撃つ3本柱として開発された
「たばこと塩の博物館」に展示されている発売当時の「マイルドセブン」(左)。パッケージデザインが「セブンスター」と酷似していた。「キャビン」「キャスター」とともに輸入たばこを迎え撃つ3本柱として開発された【拡大】

  • 日本たばこ産業の加熱式たばこ「プルーム・テック」。たばこカプセルの銘柄は、マイルドセブンの後継である「メビウス」だ

 デバイス(本体)とたばこ部分の商品名を区別しているのは、競合2社も同じだ。米フィリップ・モリス・インターナショナルの「アイコス」も、専用のたばこスティックは「マールボロ」、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「グロー」は同じく「ケント」を名乗っている。

 各社とも、たばこ部分に自社のトップブランドを冠している点から、シェア争奪への並々ならぬ決意が感じられる。ちなみにJTが25年発売した初代「プルーム」のたばこポッドには、メビウスの名が付けられなかった。

 26年発売のアイコスで人気に火が付いた加熱式たばこは、国内たばこ市場に占める割合が来年にも30%近くへ達する見込みだ。

 出遅れが目立つJTも、今年6月4日にはプルーム・テックの47都道府県への展開を完了。さらに、蒸気量を増やして満足感を高めるコンセプトのプルーム・テック改良版や、競合2社と同じ仕組みの「高温加熱型」の新製品も来年にかけて発売し、「加熱式のシェア40%を目指す」(寺畠正道社長)構えだ。

 その新製品には果たして、マイセンの伝統を受け継ぐメビウスの名が付けられるのか。海外メーカーからのシェア奪還を目指すJTが、どんなブランド戦略を打ち出してくるのかが注目される。(山沢義徳)

 マイルドセブン 昭和52年6月に日本専売公社(現日本たばこ産業)が発売した紙巻きたばこで、当時のキャッチコピーは「白いベストセラー」。軽い味わいへ変わりつつあった喫煙者の嗜好(しこう)を狙った。

 同時期に登場した「キャビン」(53年発売)は“洋モクの雰囲気”を、「キャスター」(57年発売)はバニラフレーバーで個性を打ち出し、いずれも輸入たばこを迎え撃つ役目を期待されたという。

 マイルドセブンから改称されたメビウスのネーミングは、「MILD SEVEN」のMとSを受け継ぎ、Evolution(進化)のEとV、I(自社)と顧客のU(YOU)との絆を表現したという。