「ドンキ化」でコンビニ反撃 ファミマ改革、来店客回復に異業種タッグ (3/3ページ)

実験店「ファミマ立川南通り店」はタワー型陳列棚などドンキの手法を取り入れた=東京都立川市
実験店「ファミマ立川南通り店」はタワー型陳列棚などドンキの手法を取り入れた=東京都立川市【拡大】

  • 入り口上部の看板に「ドンキ」の名前が書き込まれた実験店「ファミマ立川南通り店」=6月1日、東京都立川市

 ファミマは、他にもコインランドリーやフィットネスジムを併設した店舗を今年に入って矢継ぎ早に開店。来店客を呼び戻そうと躍起になっている。

 一方、ドンキにとっては、ファミマの全国約1万7000店の店舗網は魅力的だ。ドンキは圧倒的な商品開発力で高い知名度を誇るものの、実は店舗数は約200店舗(ドン・キホーテのみ)と少ない。ファミマでの共同実験を通じて小型店運営のノウハウを吸収したいとの思惑もある。

 タッグの勝算だが、興味深いのはユニー・ファミリーマートHD傘下の流通大手ユニーの動きだ。一足先に総合スーパー(GMS)6店をドンキとの共同店舗「MEGA ドン・キホーテUNY」に刷新している。ドンキの店作りのノウハウを取り入れた結果、今年3、4月の売上高は共同化前のユニー単体と比べ2.2倍に増加、1日当たりの客数もユニー単体と比べ1.9倍に伸長し、テコ入れはひとまず成功した。

 GMSとコンビニでは業態が異なるが、ファミマ側でもこうした先例をみて、ある程度勝算を見込んでいるとみられる。

 ただ、見た目の奇抜さに頼ることは固定ファンの反発を招く恐れもあり、今回の新たな取り組みはもろ刃の剣でもある。果たして、ファミマの挑戦は吉と出るか凶と出るか。コンビニ業界の将来を展望するうえでも目が離せない。(柳原一哉)