ギフト業界“冬の時代” 共同仕入れの全通が事業停止 冠婚葬祭や社会の変化で凋落 (3/4ページ)

全通が入居するビル
全通が入居するビル【拡大】

◆加盟店の資金支援で身動きとれず

 全通は売上不振だけでなく、もう一つ大きな問題を抱えていた。加盟店に対する不良化した営業債権だ。

 全通の成り立ち自体が互助会的な性格の協同組合を発端としていたため、取引条件は加盟店側が圧倒的に有利だった。加盟店から回収できなくても、全通は仕入先のメーカーや問屋への支払い義務がある。また、加盟店が経営不振に陥っても、即座に債権回収に動きにくい。むしろ資金繰り支援のため支払い猶予を求められ、取引を打ち切ることはできなかった。

 それでも業績が好調だった時代は何とか吸収できたが、髙橋社長は「弱体化した加盟店への支援を続けた結果、不良化した営業債権は雪だるま式に増えた」と説明会で苦しい胸の内を吐露した。

 説明会で配布された資料によると、全通が保有する売掛債権は帳簿上で6億1039万円。しかし、実際に回収が可能なのは8000万円程度にすぎない。大部分が長期営業債権の未回収や貸し倒れの未償却分だった。

◆連鎖倒産の呪縛、300社以上の債権者巻き込む

 全通が事業を停止した同日、秋田県南部を拠点とする交絢社(横手市)が、再度の資金ショートを起こした。その後、5月には協立商事(鹿児島市)、打越商舗(石川県七尾市)と、各地の中小ギフト販売業者が相次いで破綻した。

 支援を受けていた加盟店は、全通の破綻で支えを失った。弱体化した加盟店がいかに全通頼みだったかを象徴している。こうした内情を隠すためか、全通は実際は赤字だったが、利益を水増しし、黒字の粉飾決算を作成していたことを明らかにした。

いつしか不振業者の“救済センター”に