異業種参入に危機感
自動運転が切り開く新市場について、DeNAの中島宏執行役員は「レンタカーやカーシェア、ライドシェア(相乗り)などが融合し、第2のモータリゼーションが起こる」と、その将来性に期待をかける。
一方でトヨタの豊田章男社長は、自動運転車の開発を進める米国のグーグルやアップルを念頭に「新たなライバルは、われわれの数倍のスピードで、豊富な資金を背景に新技術への積極的な投資を続けている」と異業種の参入に危機感を示す。
中国は国家主導で広大なモデル地区を設け、インフラと車両の通信を含めて技術を磨く。ソフトバンク子会社のSBドライブと中国のネット検索大手、百度(バイドゥ)が提携して日本で自動運転バスの実証実験に乗り出すなど、国境を越えた陣営づくりも進んでおり、有望市場の主導権争いは世界規模で激しくなっている。(高橋寛次)
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■自動運転に関する大手3社の目標
トヨタ 2020年に高速道路での自動運転を実用化、20年代前半に一般道での自動運転を実用化
日 産 20年までに交差点を含む一般道での自動運転技術を投入、22年に完全自動運転を実現
ホンダ 20年に高速道路での自動運転技術を実現、25年頃をめどにレベル4(高度自動運転)の技術を確立