インターネットで注文する宅配クリーニングが人気だ。提携する運送業者が注文客の自宅で衣類を引き取って工場に運び、仕上がり後に届けてくれる。夫婦共働きなど忙しい世帯の利用が多く、クリーニング業界は市場拡大のチャンスとみて力を入れている。
「お待たせしました」
6月の平日夜、東京都世田谷区のマンションの内山千晶さん(42)宅に、真っ白な段ボールに入った荷物が届いた。中身は会社員の夫と自分のスーツやシャツなど。ホワイトプラス(東京)が運営する宅配クリーニング「リネット」だ。
内山さんは約1年前から利用。現在は大学で勉強し直すための準備中で、最近まで共働きだった。「街中のクリーニング店が開いている時間に帰宅することはほとんどなく、ネットでこのサービスを見つけた。2週間に1回ほど利用している」と話す。
スマートフォンのアプリの地図上で運送業者がどのあたりにいるかを示し、あと何分で到着するかをメールで知らせてくれる機能もある。内山さんは「到着までに家事を済ませたり風呂に入ったりできるので、時間を有効に使える」と気に入っている。
ホワイトプラスは2009年にサービスを開始。30~40代の共働き世帯を中心に急速に利用者が拡大した。対象地域は全国で、引き取りと配送は通常朝9時以降、夜は9時まで。料金はジャケットが1着1000円強から、ワイシャツ1枚が300円強からなどだ。