
浸水被害を乗り越え、14日に営業を再開したスーパー「ディオ真備店」=15日午後、岡山県倉敷市(小笠原僚也撮影)【拡大】
多数の犠牲者を出した今回の西日本豪雨。まだ避難所生活を強いられている大勢の被災者がいる。酷暑が復興作業を遅らせている。特に被害が大きかったのは岡山県倉敷市の真備町地区、同町の半数以上の世帯が泥水に浸かり、大勢の犠牲者を出した。その真備町で、自らも壊滅的な被害を負いながら、1週間で店を復活させて復興のシンボルとなっているスーパーがある。
それは西日本を中心に140店の食品ディスカウントスーパーを展開するディオのことだ。その真備店を濁流が襲ったのは7日の早朝だった。泥水は瞬く間に天井近くまで達した。当時店内にいた客は店員に誘導されて屋上に避難し自衛隊のボートに救助された。が、店は完全に水没した。
9日には水が引いた。だが、店内は悲惨な状態になっていた。8000アイテムの商品、備品、器具、陳列棚、全てがヘドロにまみれ悪臭を放っていた。この状況を見て店員たちは絶望的になっていたが、寺田店長は直ちに店の早期再開を決意、本社に支援を要請した。
寺田店長には自分の店が地域のライフラインを支えているという自負があった。直ちにディオを運営する大黒天物産の本社やグループ会社から役員も含めた応援が来た。取引先各社も大勢の社員を送り込んでくれた。