54年の歴史に幕、さよなら黒部の「トロバス」 惜しむ人らで乗客増、11月廃止で催し多彩 (1/2ページ)

 黒部ダム駅(富山県立山町)と扇沢駅(長野県大町市)を結ぶトロリーバスが11月末に廃止され、約54年間の歴史に幕を閉じる。「トロバス」の愛称で長年親しまれ、惜しむ人らで乗客が増加。盛り上げを狙い、地元では映画「黒部の太陽」関連の模型展示など多彩な催しが行われている。

黒部ダム駅と扇沢駅間の関電トンネル内を走行するトロリーバス=23日、富山県立山町

黒部ダム駅と扇沢駅間の関電トンネル内を走行するトロリーバス=23日、富山県立山町

 トロバスは関西電力が運営し、観光路「立山黒部アルペンルート」の関電トンネルを走る。昭和39年8月の運行開始後、乗客は累計6千万人を超えた。トンネルはもともとダム建設の資材運搬路。観光客はトンネル内の黒部ダム駅で降り、地中の階段でダムへ行くため独特の雰囲気を味わえる。

 水害で駅に土砂が入るなど苦労も多かったが、運行開始から無事故を誇る。関電は昨年8月、老朽化やコスト高を理由に廃止を発表。冬季の営業休止後、来年4月中旬に電気バスに切り替える。

「愛着があり寂しい」