FFGと十八銀の統合承認へ 公取委が最終調整、債権譲渡1000億円弱 (1/2ページ)

長崎市の十八銀行(左)と福岡市のふくおかフィナンシャルグループの本社=1日
長崎市の十八銀行(左)と福岡市のふくおかフィナンシャルグループの本社=1日【拡大】

 公正取引委員会が、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と長崎県を地盤とする十八銀行の経営統合を承認する方向で最終調整していることが1日、分かった。両社は、公取委が問題視していた経営統合で高まる長崎県内での企業向け貸し出しのシェアを下げるため、融資先の一部債権を譲渡しようと他行と協議。同日までに債権譲渡額が1000億円弱に達したため、公取委は一転して統合を認める見通しとなった。

 長崎県内の企業向けの貸出金シェアは、十八銀とFFG傘下の親和銀行(佐世保市)を合わせて約7割になる。公取委は「寡占が起きれば競争が減り、貸出金利が高止まりする」として悪影響を懸念してきた。公取委は一時、統合の差し止めに傾いたが、債権譲渡と金融庁などによる監視を組み合わせれば、競争環境が維持できるとの見方を強めている。銀行側は経過を公取委に報告した。公取委は今後、譲渡計画の内容を踏まえ、今月中に承認に向けた手続きに入るもようだ。

 貸出債権の譲渡規模は、FFGと十八銀が5月以降、長崎県の全融資先約1万6000社を対象に意向調査を実施して算出した。受け入れを打診したのは地方銀行や大手銀行、政府系金融機関など計約20に上る。このうち佐賀銀行や鹿児島銀行(鹿児島市)は既に受け入れる方針を表明しており、残りの大半も受け入れに前向きとみられる。

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