柏崎刈羽の再稼働 不透明感は依然拭えず (1/2ページ)

(Getty Images)
(Getty Images)【拡大】

 東電は6月に福島第2原発(福島県)の廃炉検討方針を表明しており、保有する原発は柏崎刈羽原発だけとなる見通し。福島第1原発事故に伴う被災者への賠償や廃炉などで必要となる約22兆円のうち約16兆円を自社で確保しなければならない中、火力発電の燃料費を抑えられる原発再稼働は即効性のある収益改善策。経営再建の柱として位置づける柏崎刈羽の再稼働は重みを増しているが、不透明感は依然拭えていない。

 電力各社は電力自由化で業種や地域を超えた販売競争にさらされ、特に競争の激しい関東圏を抱える東電は2018年4~6月期はグループの販売電力量が前年同期に比べて5.2%減るなど経営環境は厳しい。

 柏崎刈羽には出力100万キロワット超の大型の原子炉が7基あり、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の6、7号機は昨年12月に原子力規制委員会の安全審査に合格。福島原発事故の当事者である東電は再び原発を運転する「適格性」を認められた。柏崎刈羽の全7基の中で出力の大きな6、7号機が再稼働すれば、東電にとって合計で年間約1000億~2200億円のコスト削減につながるとされる。

続きを読む