人気ブランド「WEGO」が3度目の株主交代 ファンド傘下で再出発も…急成長の歪み? (3/4ページ)

 業容拡大で借入金も膨らみ、中澤氏個人が負う連帯保証債務などが負担となったほか、オーナー企業から脱却し、安定成長するためには外部からの経営者招聘が最善と判断した。

 ところが、オーチャードとウィゴーとの間で事業の方向性に齟齬が生じたうえ、金融機関などのステークホルダーがオーチャード体制と中澤氏が経営から外れることに難色を示した。

 このため2017年11月、オーチャードは所有していた株式をアラタマコーポレーション(名古屋市瑞穂区、安井信之社長ほか代表1名、以下アラタマ)に売却。わずか3カ月で大株主が異動した。

ウィゴーのホームページ

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◆ブラザー創業家系スポンサーに“鞍替え”もまた頓挫

 アラタマはミシン大手のブラザー工業(名古屋市)の創業家一族の資産管理会社(ブラザー工業との資本関係はない)で、アラタマが組成する投資事業組合がウィゴー株式の大半を握る筆頭株主となった。

 中澤氏も取締役会長に復帰し、アラタマが招聘した米国公認会計士の資格を持つ高橋社長と中澤会長との双頭体制でリスタートしていた。

 アラタマ主導の経営体制に代わって8カ月、新体制での経営が軌道に乗ったかに見えた矢先の今回の動きで、取引先は驚きを隠せない。

 ウィゴーの関係者は今回の事業承継の経緯について、「株主同士の交渉事なので詳細は分からない」としながらも、「アラタマは資産管理会社で人的リソースも限られている。激動するアパレル業界で株主としての責任を果たせるのか。金融機関の理解を得られるかも未知数で、ノウハウも実績もある所に任せたいとの意向だった」と語る。

2018年2月期は最終赤字に