イラスト投稿サイト「pixiv(ピクシブ)」を運営するピクシブ(同渋谷区)は、スマホで個人間決済ができる決済サービス「pixiv PAY(ピクシブ ペイ)」を昨年8月から展開しており、順調に推移している。
同人誌の愛好家の間では、即売会などのイベントの会計で長い行列を作り、現金をやり取りするのが面倒だという声が多かった。そこで、出品者の表示するQRコードをスマホで読み込むだけで、スムーズかつ安全にクレジットカードで買い物ができる仕組みを作った。クリエーターが売上金の管理などに煩わされずに創作活動に専念できる、というニーズに対応した。
大手企業もベンチャーと協業し、QRコード決済を採用する。
JR東日本は7月24日、ベンチャー企業と協業し新たなビジネスを実現するプロジェクトで、青森県などとともにキャッシュレス化をテーマにした実証実験準備に着手すると発表。「Origami(オリガミ)」(同港区)が提供するQRコードを使ったスマホ決済アプリを活用する考えだ。
ソフトバンクも国内ではないが、ヤフーのグループ会社、インドのスマホ決済大手と組み、今秋にもQRコード決済サービスを始める。加盟店がソフトバンク側に支払う手数料を0円にし、普及を進める。
QRコード決済への参入が相次いでいる背景には、アプリを使った独自サービスの仕組み構築が容易で、参入障壁が低いことがある。店舗側もタブレット端末やスマホなどにアプリを入れるだけで導入できることから、初期費用を最低限に抑えられるというメリットがある。
国内では、アリババや中国・騰訊控股(テンセント)がQRコード決済で存在感を示している。中国人を中心とする訪日外国人向けの決済手段として、QRコードの魅力は大きい。