ネット配信、LINE、VR…自動車各社があの手この手で顧客接点に知恵 (2/3ページ)

「ボルボスタジオ青山」のVRコーナーでは、目の前に広がる大画面で運転支援機能などを疑似体験できる=東京都港区(ボルボ・カー・ジャパン提供)
「ボルボスタジオ青山」のVRコーナーでは、目の前に広がる大画面で運転支援機能などを疑似体験できる=東京都港区(ボルボ・カー・ジャパン提供)【拡大】

 日産自動車は通信アプリ大手LINE(ライン)の無料通話アプリで試乗予約できるサービスを今夏に始動。仮想スタッフと対話しながら試乗日時や場所を手軽に決められる。平成34年度までに販売台数の4割を電動車とする計画の日産は、試乗への入り口を増やすことを重視する。日産の星野朝子専務執行役員は「EV(電気自動車)などは実際に乗って先進性能や乗り味を体感してもらうと購買意欲が高まりやすい」と話す。

 欧州高級車メーカーの日本法人もスマホ世代の獲得に注力。メルセデス・ベンツ日本はNTTドコモと連携し、スマホのアプリから最新モデルの試乗を予約できるサービスを10日に始めた。提供場所は同港区と大阪市のブランド発信拠点で、最大2時間までスタッフの同乗なしに無料試乗できる。同社の上野金太郎社長は「(ベンツ車に)縁がなかった消費者との接点を広げたい」と述べた。

 ボルボ・カー・ジャパンは、試乗だけでは訴求に限界がある運転支援機能などの優位性を伝えようと、ブランド発信を担う「ボルボスタジオ青山」(東京都港区)に、コンピューターで生み出した映像や音楽で現実を疑似体験できるバーチャルリアリティー(VR)技術を導入。ゴーグル型の専用端末を装着すると、シカなどの大型動物を車が検知し自動ブレーキを作動させる安全技術の体験が可能という。

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