今回のメーンバンク調査では、前回までと同じように取引社数はメガバンクが地方銀行を圧倒したが、都道府県別では地元の有力地銀の強さが鮮明になった。特に、都道府県別でシェアが50%超の地銀は18行にのぼった。地元企業と密接に繋がり、地域に浸透した信用で高いシェアを伸ばしていることがわかる。
現在の金融統合は第二地銀を中心に展開している。だが、地域シェアがトップでも貸出による収益は厳しい状況に変わりはなく、金融業界は新たな収益源を見出すことや長崎県の統合モデルを例とした再編が加速するかもしれない。
今後、金融機関は経営統合など規模拡大だけでなく、取引先企業や地域経済の発展にどう寄与し、好循環した資金を地域にどこまで還元できるか、その実現力とアイデアを問われている。
◇
《東京商工リサーチ特別レポート》大手信用調査会社の東京商工リサーチが、「いますぐ役立つ最新ビジネス情報」として、注目の業界や企業をテーマに取材し独自の視点に立った分析をまとめた特別レポート。随時掲載します。