IHIは、小型衛星の需要増で普及が進む小型ロケット分野を強化している。キヤノン電子などと共同出資会社を設立し、JAXAから製造を請け負っている「イプシロン」よりさらに小さいロケットの開発に着手。21年度の打ち上げサービス開始を目指している。IHIの並木文春宇宙開発事業推進部長は「(ラインアップ拡大で)顧客対応の幅を広げ、拡大する需要を取り込む」と意気込む。
一方、川崎重工が開発中の衛星は、画像センサーで捕捉した大型デブリを「把持装置」でつかんだまま大気圏に突入し、燃やし尽くす仕組み。20年度にも試験機を打ち上げる計画で、実用化されれば世界初となる。衛星へのデブリ衝突が問題視される中、政府機関などから受注したい考え。
宇宙分野をめぐっては、政府から民間に事業主体が移る一方、小型ロケットやデブリ除去、衛星データの活用など裾野が広がりつつある。一方、スペースXに代表されるベンチャーや新興勢力の台頭で競争は激化し、価格破壊も進む。「開発を続けないと技術が途絶えてしまう」(IHIの並木部長)との事情もあり、重工メーカーにとっては正念場ともなっている。(井田通人)
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■宇宙分野をめぐる重工メーカーの取り組み
・三菱重工業
新型ロケット「H3」を開発、衛星打ち上げサービスの受注拡大狙う
・IHI
キヤノン電子などと小型ロケットを開発、小型衛星の打ち上げ需要を取り込む
・川崎重工業
デブリ除去衛星を開発し、2020年度中にも試験機を打ち上げる計画