【視点】中小企業の危機的な人材「四重苦」問題 家族経営の柔軟性で解消を (2/3ページ)

「金の卵」という概念も、昔と変わり始めているようです(鈴木健児撮影・写真と本文は関係ありません)
「金の卵」という概念も、昔と変わり始めているようです(鈴木健児撮影・写真と本文は関係ありません)【拡大】

 この危機的状況をどう打開するか-。「企業の寿命を延ばすのは人材育成。新規採用の心配よりも、今いる社員が辞めないようにしないと」。東京商工会議所が8月に開いたシンポジウムで、慶応大大学院の高橋俊介特任教授は開口一番、こう訴えた。中小ががんばって給与を引き上げても、大企業が就職シーズンに展開する広告戦略や待遇面で太刀打ちできない。それよりも、社員のやる気と能力を高め、生産性向上につなげようというメッセージだ。

 大企業も、動き始めている。65歳定年で会社人生の折り返し点が45歳まで上がり、専門能力の高いミドル、シニア世代の活用が業績を左右するからだ。バブル経済崩壊後の採用抑制で生じた世代間の断絶を補い、後進の育成に当たる人材としての期待も高く、かつてのリストラ対象が今や、現代版「金の卵」と言われる由縁だ。

 働き方改革で先行するオリックスは今年、「FA(フリーエージェント)宣言」で45歳以上の社員がグループ内の希望部署に異動できる人事制度を新設。大和証券も45歳以上を対象に、55歳以降にポイント制で給与に反映されるeラーニングなどによる研修プログラムをスタート。個人顧客担当の営業社員の定年撤廃にも踏み切った。

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