
加熱式タバコ(左から)グロー(glo)、アイコス(iQOS)、プルーム・テック(Ploom TECH)【拡大】
特許的な観点からみても、PMが先行している可能性が高い。すなわち、本件特許と同じ国際特許分類が付与されている特許権の件数を集計してみると、PMが80件、JTが49件、BATが19件、BAT関連会社のニコベンチャーズが13件であった(必ずしも加熱式たばこの特許とは限らない)。
精査したわけではないが、ニコベンチャーズの特許は非スティックタイプのものが多いように見受けられる。今回、先発していると思われるPMから後発のBATに対し特許権侵害訴訟が提起された形になるわけだが、特許紛争的には典型的なパターンといってよい。
BATのような後発メーカーの特許戦略について、どのように考えればよいか。非常に難しい問題である。先発メーカーの特許を踏まないように製品開発を行うこと。できるだけ広く、顕現性があり、かつ無効審判にも耐え得る先発メーカーに対してカウンターとなる特許を取得することの2つが大原則であるが、それだけでは乗り切れない場合もある。
そのような場合には、他社から特許を買ってくるか、あるいはその会社ごと買収するかということを検討することになるが、それも特許を保有している他社が存在しなければ、そもそもできるものではない。ただし、市場は日本だけとは限らないので、世界に目を向けてみれば、意外と良い特許を保有している他社が存在していることもある。