【高論卓説】加熱式たばこ「特許紛争」 後発劣勢、訴訟回避への戦略不可欠 (3/3ページ)

加熱式タバコ(左から)グロー(glo)、アイコス(iQOS)、プルーム・テック(Ploom TECH)
加熱式タバコ(左から)グロー(glo)、アイコス(iQOS)、プルーム・テック(Ploom TECH)【拡大】

 他にも、先発メーカーに対する無効審判という手も考えられる。無効にできなくても権利範囲を狭めることができれば、道が開ける場合がある。もっとも、これも確実なものではない。これら全ての手段を的確に組み合わせて、とにかく紛争を未然に回避する。これこそが後発メーカーの特許戦略であるといえよう。

 ちなみに、筆者も肩身の狭い思いをしている喫煙者である。

【プロフィル】溝田宗司

 みぞた・そうじ 弁護士・弁理士。阪大法科大学院修了。2002年日立製作所入社。知的財産部で知財業務全般に従事。11年に内田・鮫島法律事務所に入所し、数多くの知財訴訟を担当した。17年に溝田・関法律事務所を設立。知財関係のコラム・論文を多数執筆している。42歳。大阪府出身。