
静岡県沼津市のスルガ銀行本店【拡大】
それに対して、日本の不動産担保ローンはリコースローンが中心で、担保を銀行に提供しても、その差額は顧客の債務として残ってしまう。これが不適正な融資が横行する要因なのだ。多額の資産を持ってさえいれば、事業計画の採算モデルが成立していなくても金を貸す、いざという場合、個人の資産で賄わせることができるからだ。
これでは何のために銀行があるのか分からない。本来、銀行はローン審査により大切な預金と融資先を守る責務があり、顧客を食い物にする今の在り方は銀行そのものの存在意義を失わせるものだ。
顧客の立場から見れば、預金しても金利を払わず、まともに金を貸さない、金を貸せない銀行などいらないのである。
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【プロフィル】渡辺哲也
わたなべ・てつや 経済評論家。日大法卒。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は『突き破る日本経済』など多数。48歳。愛知県出身。