発生から7年半、東日本大震災の被災地で新事業の萌芽 地域活性・着実な復興への歩み加速 (2/3ページ)

 防災食やプラ代替材

 備蓄食開発のワンテーブル(宮城県名取市)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で防災食にも宇宙食にも活用できる備蓄食材の開発に乗り出す。第1弾として5年間の長期保存可能なゼリーを開発し、その後スープやカレーなどメニューを増やす。

防災・宇宙食の生産を目指すワンテーブル多賀城工場の完成予想図(同社提供)

防災・宇宙食の生産を目指すワンテーブル多賀城工場の完成予想図(同社提供)

 同社は同県多賀城市内に工場の建設に乗り出しており、2019年4月に稼働させる。島田昌幸社長は「防災や宇宙と同じように備蓄に厳しい環境である紛争地帯などで暮らす人にも届けたい」と話す。

 同市では、石灰石を使ったプラスチック代替材料の開発に取り組む環境素材ベンチャーのTBM(東京都中央区)も工場を建設中で、20年の稼働を目指している。このほど、求人広告のディップ、伊藤忠商事から総額20億円の資金調達を実施。急速に需要が拡大するプラスチック代替材料の量産化を急ぐ。

期待される地元雇用、それ以外にも