半導体大手のルネサスエレクトロニクスは11日、米同業のインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を67億ドル(約7330億円)で買収、完全子会社化することで合意したと発表した。電気自動車や自動運転が広がる中、ルネサスが高いシェアを持つ車載半導体を強化し、米インテルや米エヌビディアなどに対抗していく考えだ。
IDTは、センサーや通信用の半導体を強みとするファブレス(工場を持たず設計開発に特化した)メーカーで、直近の連結売上高は約927億円。買収後はルネサスが作るマイコンやパワー半導体などと組み合わせ、自動車メーカーへの商品提案力を向上させる。
買収手続きは来年6月にも完了する予定。ルネサスは手元資金に加え、取引銀行から約6790億円の融資を受ける。統合効果は、営業利益ベースで約275億円を見込んでいる。
同社は昨年にも、アナログ半導体メーカーの米インターシルを約3300億円で買収した。今回の買収額は、国内半導体メーカーとして過去最大級となる。