8月25日早朝、スタート地点にたどり着くと、自動運転タクシーがすでに止まっている。バンパーなどにセンサーやカメラなどが複数備わっているが、外見は普通のミニバンタイプのタクシーとほとんど変わらない。早速、後部座席に乗り込むと、運転席には、緊急対応に備えるプロのタクシー運転手が座る。助手席にも補助者の姿が。
運転席と助手席の裏側にはタブレット端末が備え付けられ、片方には周辺の道路と交通の混雑状況が映し出され、もう片方は乗車完了や運賃支払いなどを操作するのに使用する。
準備が完了すると走行開始。スタート地点となった高層ビルの車止めから公道に出て、自動運転が始まった。早朝とはいえ、首都の中心部。それなりの交通量があるが、遅すぎず速すぎず法定速度で、車間距離も十分にみえる。
実験ルートは交差点が多く右折・左折レーンが次々に現れるが、ハンドルさばきはスムーズだ。右折、左折ともに問題なくこなし、時には車線変更も。走行中、周囲を走る乗用車の動きが気になり、何度も周囲を見回してしまったが、特段「はっ」とする場面には出くわさなかった。
まだまだ課題はあるものの…
一方、運転手が触らなくてもステアリングがくるくると回るさまは、昭和生まれの記者には少々奇異にも映る。また、ブレーキのかけ方は人間のそれよりも少々荒い。そのことを同乗したZMPのスタッフに指摘すると、「今後の改良点です」と話した。