【生かせ!知財ビジネス】VALUENEXの戦略(上) (1/2ページ)

特許データの俯瞰解析図。読み込み方を学べば誰でも特許や技術の動向を察知でき、独自の分析が可能になる
特許データの俯瞰解析図。読み込み方を学べば誰でも特許や技術の動向を察知でき、独自の分析が可能になる【拡大】

知財業界から初の上場へ

 知財業界から初の上場企業が誕生-。VALUENEX(バリューネックス、VNX、東京都文京区)が30日、東証マザーズに新規株式公開する。同社は2006年8月1日、中村達生博士によって「創知」の名で起業された。早大で統計的に問題を解決するオペレーションズ・リサーチ(OR)を学び、大手総研や東大でデータサイエンスやアルゴリズムを研究した中村氏が掲げた目標は「知に立脚した世界標準ツールの開発」だった。

 「世の中に存在するあらゆる知的な情報を誰もが分析できるようにする。そのためのツールを開発し世界標準にしていく」と中村氏は語った。その第1号が知財分析ツール「TechRadar(テックレーダー)」だ。

 創業当時、その能力は作成した技術文書を入力すると500万件の特許データから極めて類似性の高い特許だけを数分で抽出できた。加えて、40万件の特許データから類似性を基に可視化した俯瞰(ふかん)解析図(クラスターマップ)の作成も数分でこなす性能を備えていた。

 当時、大手企業の知財部門には衝撃が走った。理由は特許検索技術者が担当していた難しい検索式の作成が不要なため誰でも使えることと、その規模・精度だが、それ以上に俯瞰解析図によって自社や他社の技術ポジションの現状や研究開発、事業戦略の方向性、未踏領域などを誰もが直感的に察知でき、深い解析を可能としたことに驚かされた。知財部門だけでなく、他部門にも示唆を与えられる情報ツールの出現を意味した。俯瞰解析図を下地として、経営、事業、研究開発、知財の各部門が一緒に議論ができるようになった。

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