ECで特産品拡販、地方創生へ サイネックス・村田吉優社長 (2/2ページ)

サイネックス・村田吉優社長
サイネックス・村田吉優社長【拡大】

 --「わが街事典」以外の取り組みは

 「『わが街事典』を自治体に水平展開してきたが、同時に垂直展開する取り組みも進めている。具体的には、ICT(情報通信技術)を活用したウェブソリューションを軸にした事業だ。自治体との信頼関係をもとに、クラウド型行政情報発信事業やふるさと納税支援事業などさまざまなソリューションを手掛けている。これらの事業の多くは、「わが街事典」と異なり、自治体に予算を付けてもらうモデルとなる」

 --自治体の反応は

 「低コストで行政の効率が上がることを訴求しているが、最近受け入れてくれる自治体が増えてきている。『わが街事典』も当初は苦労したが、事業開始3年以降は軌道に乗って黒字体質になった。ウェブソリューションも現在、軌道に乗る前の過渡期にあると考えている」

 --次の一手は

 「ICTの仕組みだけでほとんど人手をかけずに成り立つ事業を展開していきたいと考えている。今取り組んでいるのがEコマース(電子商取引)。地方の特産品をBtoCで販売する事業を始めていて、これをBtoB(企業間取引)の領域に拡大するとともに、リアルの領域にまで広げていきたい。地方の特産品が外部に売れることは、ストレートに地方創生に役立つことにつながる」

                   

【プロフィル】村田吉優

 むらた・よしまさ 早大政経卒。三重大大学院博士課程修了。1978年商工通信(現サイネックス)入社。81年取締役、97年から現職。68歳。三重県出身。

                   

【会社概要】サイネックス

 ▽本社=大阪市中央区瓦屋町3-6-13

 ▽設立=1966年2月

 ▽資本金=7億5000万円

 ▽売上高=129億円 (2018年3月期連結)

 ▽事業内容=広告業、出版業、印刷業、情報メディア事業