当時、免疫療法は効果が証明されない民間療法のイメージも強く、治験(臨床試験)を担う医療機関の担当者に「効いたら丸坊主になる」とまで言われたこともあり、ほかの抗がん剤の治験が優先され、オプジーボは後回しにされた。しかし、実際に治験に入ると劇的な効果が現れ、瞬く間に世界に注目される薬となった経緯がある。
新薬開発を自社の研究体制だけでなく、大学や学術機関の優れた研究にも頼り、創薬を目指す動きは日本では多く行われてきた。オプジーボ以前にも中外製薬の抗体医薬品「アクテムラ」など画期的な薬が学術研究と企業の協力によって生まれている。
本庶氏が「小野薬は研究に貢献していない」と発言したことに対して、製薬業界に反発も出ている。他社の幹部は「小野薬品は精いっぱい努力した」「大学などの基礎研究を実用化して、製薬企業が医薬品として患者さんにお届けする。互いにウィンウィンの関係でありたい」などと話す。
小野薬は1日、決算会見を開き、相良社長は本庶氏との共同研究の成果を受けて「学術機関との共同研究は今後より積極的に行って創薬につなげたい」とあらためて語った。同社では共同研究の件数を拡大させ、現在、国内外の大学、研究機関と約270件の共同研究を行っている。