またまた大変身…ホンダの新型「インサイト」が縮小市場のセダンに生まれ変わった理由 (2/3ページ)

 対プリウスの意識はない

 インサイトといえば、やはり車両価格や販売面でプリウスとの比較は避けられない。これについて寺谷氏は、「客観的に見ると『インサイトVSプリウス』だろうし、第2世代はかなりガチンコ勝負をしたが、今回のモデルに関して個人的に“対プリウス”という観点はない」と私見を述べると、「研究所の人間は意識したかもしれないが、クルマが持っている味を考えると、プリウスと顧客を取り合うことはあまりないと思っている」とコメント。むしろ「ヴェゼルやCR-Vなどホンダ内部でHVの選択肢が増えて、選ぶ楽しみが出てくると思う」と笑顔で理想を語った。インサイトの開発責任者、堀川克己氏は「競合するHVシステムを聞かれれば、世界でもトヨタさんのTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)しかない。我々も参考になる部分もある」とライバルの技術力の高さを認めながらも、「プリウスについては燃費性能を調べたくらい。プリウスのベース車両の燃費と同じくらいの性能を狙った方がいいのかな、と初期検討しただけ」と開発当初を振り返った。

流麗なファストバックスタイル

流麗なファストバックスタイル

 ホンダ独創のHVシステム「i-MMD」

 新型インサイトの主なセールスポイントは「優雅なデザイン」「内外装の質感」「先進運転支援システム『ホンダ・センシング』を標準装備した安全性能」の3つだという。さらに、HVのさらなる普及を目指してインサイトに投入されたのが、燃費と走行性能を高次元で両立させたホンダ独自の2モーターHVシステム「スポーツ・ハイブリッド i-MMD」だ。すでにステップワゴンやオデッセイにも搭載されており、ホンダにとって今後のグローバルな電動化戦略の根幹となる期待のパワーユニットだ。今回発表されたインサイトの燃費性能は1リッター当たり34.2キロ(JC08モード)で、「特に実燃費の良さが高く評価されていて、アコードでもコンスタントに20キロは走れる。パワフルかつ静かに気持ちよく走るのに、実際のガソリン消費は驚くほど少ない」と寺谷氏は胸を張る。

試乗は好感触