【2019 成長への展望】MRJの量産化に向けた統合を検討 三菱重工業・宮永俊一社長 (2/2ページ)

三菱重工業宮永俊一社長
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 --費用が高騰しているトルコ原発計画への対応は

 「経済合理性の範囲内で対応するが、私どもが『やめる』と判断できることではない。政府間の協定に基づいて事業化調査の結果を提出しているので、先方から何らかの反応があるものと考えている」

 --原発新設は難しい。人材や技術をどう維持する

 「仏社との合弁事業である新型中型炉『アトメア1』の開発を通じ、若手をトレーニングしている。また、当社が手掛けるPWR(加圧水型軽水炉)系の電力会社に対して新設の検討もお願いしている。技術者を途切れずに養成し、(中露などに対抗できるよう)安全性とコスト競争力、技術力を高めていく」

 --火力発電への逆風も強まっている

 「MHPSのシナジー効果により2020年度までは仕事量を確保できているが、それ以降は抜本的な対策が必要だ。軌道に乗ってきた洋上風力発電に引き続き注力するとともに、発電量が上下する再生可能エネルギーと、それを補う発電用ガスタービンを組み合わせ、分散型エネルギーのビジネスを育てたい。過剰となる生産設備は、他事業へ展開することになるだろう」

【プロフィル】宮永俊一

 みやなが・しゅんいち 東大法卒。1972年三菱重工業入社。執行役員、常務執行役員、副社長執行役員などを経て2013年4月から現職。福岡県出身。