【道標】岐路に立つローカル鉄道運営 政策で利用者増、広域連携模索 (2/2ページ)


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 旅客のみならず貨物輸送の際に発生する二酸化炭素(CO2)量が少ない点に注目、欧州では地球温暖化対策の極めて重要な交通インフラとして鉄道貨物の整備など積極的な取り組みが見られる。わが国でも経済成長と温暖化対策を両立させるため、鉄道利用の再認識が求められる。

 さらに、街の中心部に都市機能を集めるコンパクトシティーや、自動運転などデジタル技術を活用してさまざまな交通サービスを需要に応じて利用できるようにするMaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)が今後、期待されている。地域の駅がそうした新たな政策の中核拠点になって人が集まり、鉄道が交通機関の柱として利用者を獲得する可能性がある。

 鉄道は国民の共有財産であり、一度廃止されてしまえばほとんど元に戻すことができない不可逆性の高いインフラだ。

 それ故、一民間企業の経営判断により存廃が左右される現状には、違和感がある。今後の活用方策、公的支援の在り方について国民的な合意形成のための議論をしていくことが必要である。

【プロフィル】藤波匠

 ふじなみ・たくみ 日本総合研究所上席主任研究員。1965年神奈川県生まれ。東京農工大大学院修了。2015年から現職。地方活性化などが専門。著書に「人口減が地方を強くする」など。