【経済インサイド】ゼネコン各社、若手確保へ建設現場でのロボット化急ぐ (3/3ページ)


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  • 鹿島が導入した外壁材の取り付けをサポートするロボット=平成30年11月、名古屋市

 ベンチャーとも連携

 ベンチャーと連携する動きも活発だ。大林組は米サイズミック(カリフォルニア州)に出資。同社は着用者の骨格や関節の動きに連動して伸縮する人工筋肉などが埋め込まれた製品を開発しており、今後は建設現場での生産効率につながる作業着の実用化を急ぐ。竹中は9月に技術研究所(千葉県印西市)のリニューアル工事を終える予定。これを機に、ベンチャーとの協業の促進に向けた空間を整備し、オープンイノベーションを推進する。

 道路やトンネル掘削などの土木工事に比べ建築工事は工程が複雑なので、合理化に向けたハードルは高いとされている。30年はロボット施工元年といわれるが、「鉄腕アトムみたいなロボットが必要」(竹中の東野雅彦執行役員)というように、まだまだ道半ば。31年はより高度なロボットの開発に向けた、試金石の年となりそうだ。(伊藤俊祐)

 ■技能労働者 鉄筋工や配筋工、とび工など建設工事の直接的な作業を行う技能を備えた労働者。平成29年は331万人でピークの9年から27%減少、人材が追いつかない状況を迎えている。担い手の確保に向け、資格や就業履歴などを業界横断的に登録・蓄積しキャリアを明確にすることで、処遇面を改善しようというシステムが本格稼働しようとしている。