企業会計に対するコンプライアンス意識が求められる中、不適切会計は高止まりが続いている。2018年に不適切会計を開示した上場企業は過去2番目となった。売上達成に対する過度なプレッシャーで不正会計に陥る担当者も後を絶たない。公認会計士の職業倫理に関する規則が今年4月から厳格化される。社員の働きやすい環境づくり、風通しの良い組織への整備も急務になっている。(東京商工リサーチ特別レポート)
調査は、自社開示、金融庁、東京証券取引所などの公表資料を基に、上場企業、有価証券報告書提出企業を対象に「不適切な会計・経理(以下、不適切会計)」で過年度決算に影響が出た企業、今後影響が出る可能性を開示した企業を集計した。
2018年はワースト2位
2018に不適切会計を開示した上場企業は54社で、2017年の53社を1社上回った。調査を開始した2008年の25社から2016年は過去最多の57社と9年間で2.2倍に増えた。2018年は過去2番目だった。
2015年5月に発覚した東芝の不適切会計問題が表面化して以降、開示資料の信頼性確保や企業のガバナンス強化の取り組みを求める声は強まっている。上場企業は、国内市場の成熟化で各企業は売上拡大を求め、海外展開を進めている。
だが、拡大する営業網のなかでグループ各社へのガバナンスが行き届かず、不適切会計の開示に追い込まれる企業は少なくない。
また、企業会計は厳格な運用が求められているが、経営側に時価会計や連結会計などの厳格な会計知識が欠如し、現場で適切に対応できず会計処理を誤る事例も生じている。内部統制報告書(企業の財務報告に関する内部統制が有効に機能しているかを経営者自身が評価し、その結果を記載した報告書)を訂正する企業も相次いでいる。