東京商工リサーチ特別レポート

企業の不適切会計が急増中 今後も悪化するこれだけの理由 (2/3ページ)

東京商工リサーチ

 背景には、会計処理の高度化(能力不足)や現場の人手不足などがあり、この状況を改善できないと今後も不適切会計が増える可能性を示している。

個人の不祥事にも目を光らせる監査法人

 内容別では、経理や会計処理ミスなどの「誤り」が22社(構成比40.7%)で最多だった。次いで、「架空売上の計上」や「水増し発注」など、営業ノルマの達成を推測させる「粉飾」が21社(同38.8%)と続く。

 また、子会社・関係会社の役員や従業員による着服横領は11社(同20.3%)で、「会社資金の私的流用」、「商品の不正転売」など、個人の不祥事についても監査法人が厳格な監査を求めた結果が表れているようだ。

 発生当事者別では、最多は「会社」の26社(構成比48.1%)で、2017年の21社から5社増えた。会計処理手続きの誤りや事業部門で売上の前倒し計上などのケースがあった。

 「子会社・関係会社」は15社(同27.7%)で、子会社による売上原価の過少計上や架空取引など、見せかけの売上増や利益捻出のための不正経理が目立つ。「会社」と「子会社・関係会社」を合わせると41社で、社数全体の75.9%と多数を占めた。

 産業別では、「製造業」の17社(構成比31.4%)が最も多かった。製造業は、国内外の子会社、関連会社による製造や販売管理の体制不備に起因するものが多い。運輸・情報通信業では、元社長や元役員が不明瞭な外部取引を通じて着服横領を行っていたケースなどが目立った。

4月から会計士の倫理規則がより厳しく

 2018年の不適切会計の開示企業数は54社で、高水準が続いている。2015年5月に発覚した東芝の不適切会計を契機に、監査の信頼性確保が強く求められている事も一因だ。

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