ここで、あくまでも個人的な意見として順当に強いだろうと思えるところを3つ挙げてみるならば、それはやはり大企業ならではの資金力と営業力、既存ユーザーを持ったPayPay、LINE Pay、楽天ペイが強いのではないかと思います。さてこの中でも、多くの人に衝撃を与えたのがPayPayが2018年末に行った「100億円あげちゃうキャンペーン」だったのではないでしょうか。決済額の20%が全員にキャッシュバックされるという前代未聞のキャンペーンだったわけですから、飛びつかないはずがありません(ただし最大キャッシュバック額は一人5万円まで)。PayPayが、今回のキャンペーンで獲得したユーザーの数は、2018年12月時点で581万人にもなったと言われています(ネット行動分析サービスのヴァリューズ調べ)。
それでは、「3強」の特色などをみていきましょう。
「孫正義」という存在の大きさ、怖さ
PayPayは、ソフトバンクとヤフーの合弁によって設立された電子決済サービス事業を展開する会社です。つまり裏側には、日本から生まれ、今や世界を代表する事業家の孫正義さん(ソフトバンクグループ会長兼社長)の存在があるわけです。こうなると、圧倒的な強さは見せかけだけのものではなく、ただならぬ想い、執念を持って取り組まれているプロジェクトだということが浮かび上がってきます。
かつて、「Yahoo! BB」というブロードバンドサービスを広げようとした孫さん率いるソフトバンクは、顧客獲得をするために街中でADSLモデムを無料で配布して、ビジネス的な大成功を収めました。またYahoo!オークションという有名サービスにおいて、アメリカに本拠を置くオークションサイトeBayとの熾烈な競争も有名です。元ソフトバンク社長室長で孫さんの右腕と言われた人物・三木雄信氏の発言によれば、「eBayが撤退するまでヤフオクの出品を無料にしろ!」と言い続けていたそうです(ソフトバンクグループのサイト「ビジネス+IT」より引用)。