フィンテック群雄割拠~潮流を読む

「決済アプリ」使ってますか?〈前編〉 熾烈な主導権争奪戦を知る (4/4ページ)

甲斐真一郎

 こんなことをやり切ってしまうのが、「孫正義」という人物の凄さなのでしょう。100億円を約2週間という短期間で燃やしつくし、さらに矢継ぎ早に第2弾の100億円還元キャンペーンを実施している孫さん率いる決済サービスのPayPayの戦い方は、圧倒的営業力や資金力のない会社では、到底、太刀打ちができないのではないでしょうか。「PayPayこそが新しい決済インフラのスタンダードになるんだ!」という「気迫」というか「怖さ」さえ感じられます。

 楽天ペイ、LINE Payの強み

 そして僕が個人的見解で挙げた3強のうちの2つ目は楽天ペイです。ここは、ご存知の通り、楽天市場で得た会員ですでに巨大な経済圏を築いている。楽天の会員数は、約9870万人(2018年6月時点)という驚くべき数字ですから、この時点で圧倒的なアドバンテージを誇っているわけです。

 同じくLINE Payも、圧倒的なユーザー数を誇るコミュニケーションツールLINEをベースにした決済サービスです。日本最大のSNSであるLINEは、月間アクティブユーザー数が、なんと7800万人(2018年10月時点)にも登ります。決済事業における競争優位性も圧倒的に高いわけです。LINEマンガ、LINEデリマ、LINEほけん、そして私が率いるFOLIOとタッグを組んだLINEスマート投資など、LINE上から様々な商品やサービスを購入することがどんどん拡大している現状、LINE Payで決済することはごく自然なことになっていくと思います。

 次回も決済アプリの話を続けます。

甲斐真一郎(かい・しんいちろう)
甲斐真一郎(かい・しんいちろう) 「FOLIO」代表取締役CEO
京都大学法学部卒。在学中プロボクサーとして活動。2006年にゴールドマン・サックス証券入社。主に日本国債・金利デリバティブトレーディングに従事。2010年、バークレイズ証券に転籍し、アルゴリズム・金利オプショントレーディングの責任者を兼任する。バークレイズ証券を退職後、2015年12月に、手軽に資産運用、株式投資を楽しめるフィンテックサービス「フォリオ」を提供するオンライン証券会社「FOLIO」を設立。フィンテックの旗手として大きな注目を集めている。次世代型投資プラットフォーム・サービス「フォリオ」は、「ユーザー体験」「操作感・表示画面」に着目されており、テーマ投資という形で誰もが簡単に株式投資を楽しむことができるように設計されている。FOLIOはお金と社会にまつわる情報を発信するオウンドメディア「FOUND」も運営している。

【フィンテック群雄割拠~潮流を読む】は甲斐真一郎さんがフィンテックと業界の最新事情と社会への影響を読み解く連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus