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タケ・サイト CNF配合、環境にやさしい生コン先行剤 (2/5ページ)

 リサイクル石灰の生成技術は静岡大学の和田秀樹名誉教授の研究成果を応用したもので、同社が初めて実用化した。同社の製品は、モルタルを主原料とする従来品に比べて使用量が50分の1程度で済む。使用後の先行剤を、再び石灰としてリサイクルすることも可能だ。

 大型工事へ導入進む

 このように扱いやすく機能性が高い同社の先行剤は、生コンを数百メートル先まで圧送する鉄道や高速道路、高層マンションといった大型工事現場への導入が進む。大林組、大成建設、清水建設など大手ゼネコンがこぞって採用し、北陸新幹線の工事現場でも使われた。

 これから武田社長が狙うのは、南アルプスの地下を貫通するリニア中央新幹線の工事に採用されること。ただ、地下約1300メートルまで生コンを圧送する過酷な条件の現場だけに、現行品がそのまま使えるかどうかは分からないという。「地下1300メートルの工事現場なんてほとんど例がない。何とか採用してもらえるよう今の製品をさらに改良したい。現場からの産廃排出量が減れば、南アルプスの環境保全にも役立つのではないか」と研究に余念がない。

 昨年10月にはCNF配合済みの改良品が、経済産業省が標準規格化を後押しする「標準化案件」に選定された。先行剤にはまだ標準規格がなく、同社製品がこの分野で初の日本工業規格(JIS)を取得するのではとの期待が高まっている。JISを取得して同社の仕様が業界標準となれば、知名度と信頼性が向上して公共工事や大規模工事に採用されやすくなり、販路が飛躍的に広がる。

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