金融

保険業界、生き残りへ転換期 「デジタル革命」でリスク予見、異業種再編も (2/3ページ)

 「あなたの寿命は80歳前後、発がんの可能性は60%、太りやすい体質で生活習慣病の可能性は80%…」

 進化したAIやビッグデータを活用し遺伝子情報を分析すれば、生まれたその日に自分の寿命や発病リスクを知ることができる。災害や事故の可能性をある程度把握できる社会が到来した結果、国民のほとんどは必要最低限の保険にしか加入しなくなる-。

 ある経済産業省の幹部が予測する未来の保険業界の姿だ。技術革新に加え、労働人口の減少などの社会構造の変化も考慮すれば、業界の展望は暗い。大和総研が2017年にまとめた試算では、業界全体の生命保険契約高は約860兆円から20年後には約100兆円も減少すると推計する。

 損保業界全体の正味収入保険料の約5割を占める自動車保険はさらに深刻だ。AIを活用した自動運転車やカーシェアリングの普及で車の保有台数や事故発生率が激減すれば、既存の自動車保険市場は消失しかねない。監査法人KPMGによると、自動車保険市場は40年までに約6割も縮小する可能性があるという。

 新サービス提供

 技術革新でリスクはどの程度回避できるのか。国立情報学研究所の喜連川(きつれがわ)優所長によると、「偶発的な事故や病気、想定外の災害までを予想し、完璧にリスクを回避するのは非常に難しい」という見解だ。

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