とはいえ、リスク回避の精度が高まれば病気や事故が減少し、「これまで事故後の補償を事業基盤にしていた保険業態は変革せざるを得ない」と断言する。既存の保険商品での差別化が難しくなる中、各社は保険で蓄積したデータをAIで分析し、「リスクを回避するサービスの提供など新ビジネスで稼ぐ企業へと変わっていく」とみる。
実際、保険各社はIT企業を中心に異業種と提携し、新技術を使った新たなサービスの開発にかじを切り始めた。個人の健康データを取れるウエアラブル端末を活用し、健康な人ほど保険料が安くなる「健康増進型保険」はその典型だ。
損保業界でも、年内にはAIで契約者の運転の仕方や事故状況を分析し、保険料や事故時の過失を即時に判定する新サービスの提供などが予定される。
デジタル技術と保険が融合していく中で、GAFA(ガーファ)など巨大IT企業の保険業への参入も大きな脅威としてくすぶる。
IT大手幹部は語る。
「保険会社のメイン商品がサービスへとシフトすれば、異業種を巻き込んだ再編もあり得る」(西村利也)