駅の売店が無人に! クリーニングやタクシーも…切り札なるか「AI活用」 (2/3ページ)

AI無人店舗について説明するサインポストの波川敏也さん=平成30年11月、東京都北区のJR赤羽駅(松崎翼撮影)
AI無人店舗について説明するサインポストの波川敏也さん=平成30年11月、東京都北区のJR赤羽駅(松崎翼撮影)【拡大】

  • JR赤羽駅に設置されたAI無人店舗。商品を手に取り出口付近でICカードをかざすと会計ができる=平成30年11月、東京都北区(松崎翼撮影)

 こうした実験に踏み切る背景には、駅の売店を取り巻く厳しい環境がある。コンビニエンスストアとの競合もあり、売店の売り上げは減少し、採算性が厳しくなっている。さらに深刻な人手不足も加わり、売店営業が維持できなくなっており、人件費などを省けるAIに活路を見いだそうとしている。

 波川さんは「人手不足への対応のほか、地方でも採算が取れ、活性化にも一役買える」と訴える。

 クリーニング店でも

 こうしたAIを活用した動きは、他分野でも広がりを見せている。

 福岡県内でクリーニング店を展開するエルアンドエー(同県田川市)の田原大輔副社長(39)は、カウンターの上に置いた服の種類を瞬時に自動識別するシステムを開発した。

 平成27年に無償公開されたグーグルの機械学習プログラム「TensorFlow」(テンソルフロー)を活用。服の分類の精度を高めるためには大量の服の写真データをAIに学習させる必要があるが、これまで6万枚のデータを収集、約30種類の服を自動で分類することが可能となった。

 AI導入に踏み切った背景には、人口減少や家庭用洗濯機の性能向上などによるクリーニング業界の市場規模の縮小、過疎化が著しい地元を盛り上げたいという思いがあるという。

 「識別の精度といった課題を克服し、高齢者や主婦の方にも満足してもらえるような無人店舗を目指したい」と力を込めた。

メリット大きく